2010年06月09日 08:39
伊波言葉で一人芝居 劇団座長比嘉さん 平和の尊さ表現
14日 石川地区公民館で上演
力強く成長するガジュマルの木の下で劇の想像を膨らませる比嘉陽花さん
=うるま市石川伊波
沖縄タイムス2010年5月12日
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2010-05-12_6417/
【うるま】生まれ育った地域の方言を使い、沖縄を表現しようと、市石川伊波の比嘉陽花(はるか)さん(28)が一人芝居「きーんかいふるわはったんわらび(木に育てられた子ども)」を14日、市立石川地区公民館で上演する。演劇集団「比嘉座」の座長としても県内各地で活動している比嘉さんは「少しでも、興味がある人は足を運んでほしい」と呼び掛け、伊波言葉を使った舞台を心待ちにしている。
一人芝居は、ガジュマルの木に育てられた子どもが、人間と触れ合うことで親を戦争で亡くしたことを知り、鳥と協力しながら、徐々に争いの元を絶つ―という平和希求のストーリー。脚本と演出も手掛けた。
大学受験に向けた小論文の特訓で「言葉」を題に出されたことから方言に関心を持ち、親や祖父母からフレーズや言い回しを習い、習得を続けてきたという比嘉さん。沖縄の風景や風土を愛し、心に浮かんだイメージを得意の絵画でも表現する中で「方言を使って何かできないか」と芝居をひらめいた。
方言は地域の老人や父に発音やニュアンスなど「伊波らしさ」の指導を仰いだ。細部まで伝られえるよう日常的に伊波言葉を使っている。購入したうちなーぐち辞典には、知らない単語が多いが「学ぶたびに方言の深さと魅力にはまっている」と笑う。
ガジュマルと子どもが好きで絵画のモチーフも多く、ストーリーとして頭に描いていたが、当初は方言に自信がなく一人芝居にはとまどいもあったという。自然豊かで心温かな風土を感じる中で「目に見えない物まで形にして表現していきたい」との強い思いは高まるばかりだ。
比嘉さんの一人芝居は「沖縄語から見える沖縄文化講演会」(14日午後7時開演)で披露される。入場無料。