2007年06月02日

【教育】は玩具じゃないぜ

再生会議、土曜授業など提言
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070601-00000127-mai-pol


ちゃっかりかりゆしウェアを着て「ジュゴンや珊瑚は死んでいいけどクールビズで温暖化を食い止めよう」と張り切る安倍が去年から官邸主導で教育改革を進めるべく設置した【教育再生会議】の第二次報告会があったそうですね。

「有識者でーす」なんて言う小谷美香子とかが「あーだこーだ」やって日本の【教育】の行く末を決めるなんてどうなんだ!

例えばもしもだけど私が有識者だったとして、

「オリンピック日本代表のシンクロのコーチを有識者の私がやりますから」
と言ったら小谷美香子は何て言う?

「えーっと、私は有識者ですから私にも演出させてくださいね」
と言ったら劇団四季の浅利慶太はどんな顔する?

「有識者として言わせてもらえば東大生はモラルが低下しているので道徳を必須単位にすべきです」
と言ったら東大総長小宮山宏はどうする?

同じことじゃなーい?

【教育】を知らない人に【教育】のあり方を決定する資格はなぁーい。

子育してないおっさん達が【教育】を議論しても意味がなーい。自分の子ども以外の子どもを見たことない彼らが、教育学の論文を書いたことも読んだこともない彼らが、とりあえず指名されたからなりましたという文科相と一緒に少し話して決めたことを「教育現場や国民の理解を得る努力をしたい」と言って現場に流すことは許されることではなーい。

休みを削られ給料を削られ、いじめ問題に頭を抱えや保護者からの圧力に心を痛め、突然英語を教えろと言われ、病気になり、土曜も学校に出てこいと言われる教育現場の教員達は一体どうすればいいわけ?今流行の自殺に追い込むスタイルを安倍はここでも展開したいんじゃないでしょうね?

【教育】は一日にして成らぁーず。

人間相手に「やっぱりコレは駄目そうだから次いってみようー」という改革をやっては絶対いけない。だったら。だったらだよ。こんな変な有識者組織で適当に決めたことをモルモット実験っぽく子どもに投与しないで、本当の【教育】を学問している本当の有識者達に議論させたらいいでしょ?何故それをしない?少なくとも安倍よりは私の方が【教育】を知ってると思うよー。



親愛なる安倍様

アンタのやってることは学問の冒涜だ。
今からでも遅くないからきちんとやれ。
  
                愛を込めて
                shinakosan









以下第2次報告のポイント(+私の突っ込み)

授業時間数10%増」確保のための土曜授業=07年度中に学習指導要領を改定
 (何のための時間数増か?学習時間と学力は比例するとは限らない。何故10%か?どの教科が増えるのか?指導要領のどこが改訂されるのか?)  
 
道徳教育に代わり「徳育」を「新たな教科」として創設。「多様な教科書と副教材」で指導するが、点数評価はしない=07年度中に学習指導要領を改定
 (新しい教科書と参考書を作って儲かるのは誰か?これまでの道徳を置き換える必要性はどこにあるのか?点数以外では評価するのか?)

小学校で集団体験、中学校で職場体験活動を各1週間実施=07年度中に学習指導要領を改定
 (集団体験の目的は?具体的な内容と予算はどうするのか?サービス業重視の職場体験の現状で生徒に何を学ばせたいのか?何故一週間か?)

全国立大で9月入学導入=07年度中に学校教育法施行規則を改正
 (医学部や教育学部など9月入学で支障をきたす可能性のある学部はどうするのか?9月入学のメリットは何か?入試制度はどう改正させるのか?入試制度改正で儲かるのは誰か?)

全国学力テストの成績不振校に改善計画書を提出させ、予算や教員定数、人事面で支援
 (全国の児童生徒の学力を国が把握するのか?成績不振校というレッテルを貼るのか?人事面で支援するにあたり教員にランクをつけるのか?)

テレビ視聴の抑制など「子育てにかかわる科学的知見」を情報提供
  (国が子育てを管理するのか?どのような形で情報を提供するのか?情報元はどこか?NHK教育番組などを教材で使うことには言及しないのか?テレビ番組に優劣をつけるのか?)




Posted by shinakosan at 08:28│Comments(10)
この記事へのトラックバック
 政府の教育再生会議は6月1日、第2次報告「公教育再生に向けた更なる一歩と『教育新時代』のための基盤の再構築」を正式に決定しました。
教育再生会議の第2次報告【きょういくブログ】at 2007年06月02日 22:40
教育再生会議:「親学」表現使わず 反発に考慮

何を言ってるのか全く意味不明。なんで親も学ばなければならないという主張が教育観を押しつけることになるのか、全然理解できませ...
希望がない教育再生会議【Kazu'Sの戯言Blog(新館)】at 2007年06月02日 23:56
過去のエントリでもたびたび教育再生会議には批判的な意見を述べてきた。
で、先の反教育再生会議を取り上げたエントリに対してトラックバックをいただいたブログ「SHINAKOSAN IS OKINAWAN:...
教育再生会議の「道徳の教科化」に賛同してみるテスト【ミーム吉田のネットニュースクリッパー】at 2007年06月06日 15:39
この記事へのコメント
問題は、教育を学問として捉えた事のない大人が教育を決める事の問題性よりも、色々な見解からの意見を取り入れない事の方にあるんじゃない?教育を勉強している、またはした人だけの意見ばかり聞いても、また問題が彷彿するだけだよ。1つの偏った見解ばかり重視され、多くの意見を捉える事や考える事がなされてないから、変な問題ばかりが副産物としてあがってきてしまう。

教育は勉強するものだけではない。教育系の論文を書く事や読む事だけで、理解出来る事でもない。学問として捉えなくとも、逆に捉えた事のない人の意見こそまた大切なはず。

デューイも言ったように、教育の改革は極端論ばかり。1つがダメなら、その正反対をやればいいという考え方は70年以上も前から何も変わってはしない。それに異議を唱え、ミドルグラウンドやリフレクティブなプラクティスがもっと発展すればいいと思うけどね。

教育は大きな問題。教育だけが変わろうとしても、社会は変わらないし、社会が変わっても教育が変わらない事もある。考えれば考える程奥の深さが見えてくるのが教育。だから学問として唱える意味があるのだろう。
Posted by とむ at 2007年06月03日 09:38
SHINAKOSANの意見に全面的に賛成です。私も有識者だったらトヨタ自動車とザ・アールとワタミフードサービスの経営方針を変えさせてみたいです。笑

教育の素人の意見にもひょっとしたら聞くべきものはあるかもしれない。しかし、素人が専門的訓練を受けた教員に命令する国、教育の研究と実践の専門家の仕事がここまでこけにされているという国は世界中探してもないのではないかと思います。
Posted by 村野瀬玲奈 at 2007年06月03日 20:03
トラックバックが通らないかもしれないので、SHINAKOSANにぜひお目通しいただきたいこれ↓

http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-247.html

と教育がらみのこれ↓

http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-237.html
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-222.html

をトラックバックさせていただいたことをお知らせいたします。m(__)m
Posted by 村野瀬玲奈 at 2007年06月03日 20:08
>とむさん
  確かに教育関係の方だけで決めても良くなるとは限りません。しかし教育という学問の存在を無視するような、これまでの研究成果を黙殺するような形で政治のいいように教育を変えてはいけないと思うのです。教育は教育を受けるもののために存在するべきで政治家のために存在するものではない。様々なジャンルの大人が集まって教育に風を吹かせるアイディアを提供するというレベルのものではなくこの会議が具体的に学習指導要領を変える力を持つことに私は怒りを覚えています。憲法にうたわれている等しく教育を受ける権利は、資本主義の競争原理で格差をつけられた学校を生み出すことで守られなくなります、「そしたら憲法を変えればいいじゃない」という思想は真に恐ろしい。そもそも、この会議は、まず今の教育の何が悪くて何を直してどこに進みたいかという明言を避けています。専門家のいない会議ですから当然といえば当然でしょうが、教育の何たるかをさっき考えたような「有識者」が手をつけるにはあまりに大きな問題だと思うのです。教育と一口に言っても保育園から大学院まで様々だし、この会議では障害児教育には一切触れてないし、本当に素人の仕事としか言いようがないので私はムカついてるんですよ、ふふふ☆

>村野瀬玲奈さん
 日本の学力低下はもしかしたら仕方のないことかもしれません。なんてったってこの10年、教育費は右肩下がりですもの。国家予算のうち教育に占める割合を諸外国比較すると良く分かります。日本は総合学習の時も予算をつけずに現場に丸投げしましたし、英語教育にしたって利権が絡んで出版社が儲かるくらいしかメリットはないし、教育基本法改正や徳育教育導入など百害あって一理なしの人体実験を行っています。ころころ変わる教育方針と減り続ける教員の給与と増え続ける教員弾圧。いい教育が提供できるはずありません。素人の教育改革で作りたいのは一体なんでしょう?これが巷で話題の愚民政策!?あー、もう恐ろしいよー!!
 トラックバックありがとうございます!早速読んでみますね!これからも情報提供よろしくお願いします!!
Posted by shinakosan at 2007年06月03日 21:36
 教育というディシプリンが力を失ってきているのは、文学系の学問の全般的な信頼の低下ととても結びついていると思います。

 shinakosanがブログで書いていた、【教育】を知らない人に【教育】のあり方を決定する資格はなぁーい。 というのは、文脈上もちろん政府に投げかけられているのであって、一般の「素人」のことを指しているのではないと私は理解しています。とむ様は、そこの所を少し誤解なさったのでは?と思う次第であります。
 一方で、一般の「素人」も教育(無論ディシプリンのことではありません)に関わっていくことの重要性を感じています。しかしながら、デューイ的市民は無論のこと、「市民階級」のことを指していて、「労働階級・それ以下」のことは指していません。(ヘーゲルに於いてもそうですが。)中産階級以上の人々だけが教育に関わっていける世の中は、それも気味が悪いかもしれません。
Posted by mor at 2007年06月04日 03:15
>morさん
 そうですね、確かに科学ではない・白とも黒ともつかない・時間や人間とともに変化する文学系の学問はサイエンスほど信頼を勝ち取っていないように思います。(地球温暖化などを考えるとサイエンスでさえ政治にとって重要な地位を勝ち得ていませんが)でもでもアカデミアでさえ答えを出せない教育問題に素人の政治家が知ったふりをして取り組んでも仕方がないと思うのです。
 ご指摘の通り、この会議に素人の風を入れているのは格差社会で勝ち残った方々、しかもこの会議で提言された教育は主に格差社会の頂点にいない国民に提供されるものですから、やはり現在の教育事情やアカデミアの動き、教師や生徒の現状を最低限把握している有識者を招くべきです。頭上で机上の空論以下の議論で決定したことを丸投げされる教師の方々は本当に本当に辛いだろうなぁと思います。平等に提供されるべき公教育にも確実に格差の波が押し寄せてきています。平等権を持つ国民、特に教育に少しでも携わる日本人はスルーしてはいけない問題だと思っています。
Posted by shinakosan at 2007年06月05日 03:11
掃海母艦を投入して沖縄の人たちを威嚇しておきながら「かりゆし」を着るとはどういう神経をしているのか。
環境アセスを経ず、サンゴを破壊しながら基地建設調査を強行しておいて、憲法に「環境権」を追加しようとしています。この茶番を突いていきたいと考えています。
平和への結集第2ブログ(http://unitingforpeace.seesaa.net/)へのトラックバックありがとうございました。
Posted by ohta at 2007年06月06日 08:37
>ohtaさん
  ブログ拝読させていただいております。安倍政権発足以来「もしかして全部じゃない?」というほど強行突破で法律ができ日本国民はNOと言えば自衛隊に殴られるというところまで来てしまいました。国民の手で平和憲法を選び取り、自らの土地にアイデンティティとネイティブとしての尊厳を見出すオキナワンと静かに海の環境を守る珊瑚やジュゴンが安息の日々を送れるような未来を勝ち取りたいですね。
Posted by shinakosan at 2007年06月07日 01:27
shinakosan

サイエンスの世界に関しても全く同じです。
明らかにどれがサンゴでどれが岩だかも区別のつかない(岩状のサンゴの同定は難しいのです)海上自衛隊員がサンゴの上にサンゴ用の着床機材を設置し、更に生物学専攻でもなかったであろう防衛大臣がそれを見て「被害は大きくない」とコメントし、、、。専門家を愚弄していますよ。

そしてこのサンゴ礁域を取り巻く全ての出来事に関し、全く無関心の日本サンゴ礁学会、、、、。目の前で愚弄されていても気づかない学者が多いのが問題かもしれません。

最近は泡瀬干潟のサンゴの産卵のために毎晩海に行っているのですが、ここも怪しいアセス調査の結果を元に強引に埋め立てが進んで日に日にサンゴが死んでいます・・・(泣)。
Posted by さめ at 2007年06月07日 15:37
>さめさん
 学問とは一体何でしょう?有識者とは誰でしょう?人類が築いてきた英知のすぐ隣で「so what?」とにやけながら暴力を働く政治家達。しかも彼らは「エリート」と呼ばれ少なくとも偏差値の高い大学でアンダーグラジュエートの教育を受けている。私には理解することができません。学歴を重んじる一方で学問を冒涜し、専門家なき有識者会議や環境アセス調査を行い政治の言いように教育や環境や人間を解釈し支配していく。日本にはもはや民主主義はありません、いや、そもそもなかったのかもしれません。そして国家主義へとこまを進めていくのでしょうか?環境アセスメントの事前調査で環境破壊をするという不正行為をサイエンスが訴えても声が届かないという事実を日本人は知らなくてはいけないと思います。
 
Posted by shinakosan at 2007年06月08日 08:03
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