2008年01月04日

強制が関与になる瞬間

沖縄自決「日本軍関与」が復活
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=371827&media_id=2


えっと、最初は「日本軍の強制」であったわけで、
そもそも「日本軍の関与」ではありませんでした、
よってこの記事のタイトル間違ってますねー。
毎日jpしっかりしてよね。
それとも見出し作ってるのはmixiか?




清水書院日本史B
日本軍に集団自決を強制された人もいた
 ↓ (このフレーズに文部科学省の検定意見がついた)
集団自決に追い込まれた人々もいた
 ↓ (検定を通すため主語を省き誰が追い込んだかを曖昧にした)
日本軍の強制によって集団自決に追い込まれた人々もいた
 ↓ (訂正を認めるということで出版社が再提出したバージョン)
日本軍の関与のもと配布された
手榴弾などを用いた集団自決に追い込まれた人々もいた
    (今回最終的に決まったバージョン、強制が関与という言葉に)






あのぶっとい教科書の中のたかだかワンフレーズ、
そこをほんのちょっとだけ、ちょこっとだけいじる事で、
沖縄戦の歴史は変わった、変えられた。
学問の基礎を教える学校教育を司る文部科学省が、
学問とは関係ない政治のパワーを使って教科書を変えるというお話です。

アカデミアやオーラルヒストリーやサバイバーを完全に無視して、
「沖縄県民の思いを重く受け止めなければいけない」って、
福田は彼の流行語を何回も繰り返したくせに、
結局は「日本軍強制」の記述を省かせたというわけです。


【強制】威力・権力で人の自由意志を押させつけ、
     無理にさせること。無理じい。
【関与】ある物事に関係すること。かかわること。

↑広辞苑の定義はこんな感じ。
 日本政府はあえて「関与」というワードを使わせた。
 でも文部科学省は語彙の定義をしていない。


仲井眞とか仲里とかは「まずまずの配慮」とか言ってるけど、
なぜそもそも戦争体験者が妥協しないといけないんだよ。
たった二つの漢字だけど、そうやって沖縄戦が薄められていくのは、
沖縄戦が口当たりの良いものにされていくのはすごく困ります。

何回かmixiにも書いたけど、ポイントは
「戦争は自国軍が自国民を殺したりもしますよ」ってこと。
そこをクリアにしたら「国民を守ります」とか言いながら、
国民をたくさん殺しちゃう戦争を安易にサポートできなくなる。
沖縄はそういうことを言おうとしている、
「沖縄は同情を欲してる」みたいな報道とかはうんざりです。

軍国教育までしておいて、手榴弾まで渡しておいて、
「結果的には関ったことには間違いないだろう」
みたいな感じで曖昧に責任転換されてはたまらない。
コメント差し控えてる場合じゃないだろ、渡海!
「文科省としての反省点は整理していない」だって?

琉球新報(2007.12.27朝刊7面)に「集団自決」をめぐる書く教科書の検定過程
という見出しで検定意見や訂正理由など出版社別で明確に表にしてあったので、
興味ある方はチラリと読んでみて下さい。
「人vs人々」「強いられるvs追いつめられる」等、いちいち分析していくと
教科書問題の全体像が浮かんできます、それを見て欲しい。
(それにしても教科書会社もある意味大変だ。)

昨日は岡山県津山市で検定意見の撤回を求める意見書が可決しました。
文科省は無難にフェイドアウトできたつもりでいるかもしれないけど、
ちっとも状況が変わっていない以上、まだまだ沖縄はこだわりますよ。
頭をクリアにしてモチベーションをキープするのは難しい、
だけどやっぱり怒らないといけないポイントは沖縄にもあるんです。




Posted by shinakosan at 22:12│Comments(0)
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