2007年11月14日
教科書問題、まだまだ続く
出遅れたけど、どろさんを見習って本人尋問を詳しく読んでみた。
11月9日沖縄集団自決訴訟の詳報(1)~(4)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/trial/99444/
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/trial/99496/
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/trial/99530/
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/trial/99573/
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/trial/99545/
午前10時半過ぎに開廷。冒頭、座間味島の守備隊長だった梅沢裕さん(90)と、渡嘉敷島の守備隊長だった故赤松嘉次さんの弟の秀一さん(74)の原告2人が並んで宣誓。午前中は梅沢さんに対する本人尋問が行われた。
私が驚いた箇所。
被「手榴弾は重要な武器だから、
梅沢さんの許可なく島民に渡ることはありえないのでは。」
梅「ありえない。」
→でも住民は手榴弾で集団自決をしている。無論日本軍の手榴弾で。
被「大江健三郎氏の『沖縄ノート』を読んだのはいつか。」
梅「去年。」
→名誉毀損で著者と出版社訴えた後に著書を読んだという発言。
原「『鉄の暴風』にはお兄さんが自決命令を出したと書かれているが。」
赤「信じられないことだった。兄がするはずもないし、したとは思いたくもない。
しかし、329人が集団自決したと細かく数字も書いてある。
なにか誤解されるようなことをしたのではないかと悩み続けた。
家族で話題にしたことはなかった。タブーのような状態だった。」
→するはずもないから「してない」という理論が成り立つのか。
原「実際に『沖縄ノート』を読んでどう思ったか。」
赤「難しい本なので飛ばし読みしたが、
兄が誹謗中傷されているのはよく分かった。」
→飛ばし読みで著者と出版社を相手取り名誉毀損の裁判が出来るのか。
原「裁判は人に起こせと言われたのか。」
赤「確かにそうやけど、歴史として定着するのはいかんと思った。
そういう気持ちで裁判を起こした。」
→読んでいない本を訴えるに後ろ手を引いた人がいたということ。
そして後ろ手を差し出したのは「つくる会」で、琉球新報朝刊(2007年11月14日)によると、つくる会が一社の訂正申請の内容を挙げ「検定前よりも反軍思想が露骨に表現されている。絶対に認めることは出来ない。」と批判し意見書を出したという。
反軍思想というが、軍の中には沖縄人もいてこれは単純な右対左、沖縄対日本の二項対立ではない。沖縄からのメッセージは「日本軍を侮辱すること」ではなく「軍は住民を守らなかった」という教訓。軍や戦争の本質を問うことで戦を憎み平和を欲するということ、それをつくる会は何故頑なに拒む必要があるのか。
話を戻して11月9日の午後1時50分頃証言台に立った大江健三郎さんの発言を引用する。比較しこの温度差というかレベルの違いを見て欲しい。この裁判をきっかけに教科書から集団自決の軍命が削除になったというのは、本当にありえない話ではないか。
被「著書の『沖縄ノート』には3つの柱、テーマがあると聞いたが」
大「はい。第1のテーマは本土の日本人と沖縄の人の関係について書いた。
日本の近代化に伴う本土の日本人と沖縄の人の関係、本土でナショナリズム
が強まるにつれて沖縄にも富国強兵の思想が強まったことなど。
第2に、戦後の沖縄の苦境について。憲法が認められず大きな基地を抱えて
いる。そうした沖縄の人たちについて本土の日本人が自分たちの生活の中で
意識してこなかったので反省したいということです。
第3は、戦後何年もたって沖縄の渡嘉敷島を守備隊長が訪れた際の現地と
本土の人の反応に、第1と第2の柱で示したひずみがはっきり表れている
と書き、これからの日本人が世界とアジアに対して普遍的な人間であるには
どうすればいいかを考えた。」
→作家のこの思いは飛ばし読みでは読み取れないと私は思う。
11月9日沖縄集団自決訴訟の詳報(1)~(4)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/trial/99444/
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/trial/99496/
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/trial/99530/
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/trial/99573/
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/trial/99545/
午前10時半過ぎに開廷。冒頭、座間味島の守備隊長だった梅沢裕さん(90)と、渡嘉敷島の守備隊長だった故赤松嘉次さんの弟の秀一さん(74)の原告2人が並んで宣誓。午前中は梅沢さんに対する本人尋問が行われた。
私が驚いた箇所。
被「手榴弾は重要な武器だから、
梅沢さんの許可なく島民に渡ることはありえないのでは。」
梅「ありえない。」
→でも住民は手榴弾で集団自決をしている。無論日本軍の手榴弾で。
被「大江健三郎氏の『沖縄ノート』を読んだのはいつか。」
梅「去年。」
→名誉毀損で著者と出版社訴えた後に著書を読んだという発言。
原「『鉄の暴風』にはお兄さんが自決命令を出したと書かれているが。」
赤「信じられないことだった。兄がするはずもないし、したとは思いたくもない。
しかし、329人が集団自決したと細かく数字も書いてある。
なにか誤解されるようなことをしたのではないかと悩み続けた。
家族で話題にしたことはなかった。タブーのような状態だった。」
→するはずもないから「してない」という理論が成り立つのか。
原「実際に『沖縄ノート』を読んでどう思ったか。」
赤「難しい本なので飛ばし読みしたが、
兄が誹謗中傷されているのはよく分かった。」
→飛ばし読みで著者と出版社を相手取り名誉毀損の裁判が出来るのか。
原「裁判は人に起こせと言われたのか。」
赤「確かにそうやけど、歴史として定着するのはいかんと思った。
そういう気持ちで裁判を起こした。」
→読んでいない本を訴えるに後ろ手を引いた人がいたということ。
そして後ろ手を差し出したのは「つくる会」で、琉球新報朝刊(2007年11月14日)によると、つくる会が一社の訂正申請の内容を挙げ「検定前よりも反軍思想が露骨に表現されている。絶対に認めることは出来ない。」と批判し意見書を出したという。
反軍思想というが、軍の中には沖縄人もいてこれは単純な右対左、沖縄対日本の二項対立ではない。沖縄からのメッセージは「日本軍を侮辱すること」ではなく「軍は住民を守らなかった」という教訓。軍や戦争の本質を問うことで戦を憎み平和を欲するということ、それをつくる会は何故頑なに拒む必要があるのか。
話を戻して11月9日の午後1時50分頃証言台に立った大江健三郎さんの発言を引用する。比較しこの温度差というかレベルの違いを見て欲しい。この裁判をきっかけに教科書から集団自決の軍命が削除になったというのは、本当にありえない話ではないか。
被「著書の『沖縄ノート』には3つの柱、テーマがあると聞いたが」
大「はい。第1のテーマは本土の日本人と沖縄の人の関係について書いた。
日本の近代化に伴う本土の日本人と沖縄の人の関係、本土でナショナリズム
が強まるにつれて沖縄にも富国強兵の思想が強まったことなど。
第2に、戦後の沖縄の苦境について。憲法が認められず大きな基地を抱えて
いる。そうした沖縄の人たちについて本土の日本人が自分たちの生活の中で
意識してこなかったので反省したいということです。
第3は、戦後何年もたって沖縄の渡嘉敷島を守備隊長が訪れた際の現地と
本土の人の反応に、第1と第2の柱で示したひずみがはっきり表れている
と書き、これからの日本人が世界とアジアに対して普遍的な人間であるには
どうすればいいかを考えた。」
→作家のこの思いは飛ばし読みでは読み取れないと私は思う。
Posted by shinakosan at 09:31│Comments(0)