Shinakosan is Okinawan

ジュゴンじゃないよ、スナメリだよ。


先日、ベルリンに行った時、昔お付き合いしていた男の子に10年ぶりくらいに再会することができた。タイトなスケジュールでビールに付き合ってもらうだけの短い時間しか捻出できず残念だったけど、その2，3時間の私たちの話題と言えば、一緒に旅したあのフロリダの海やスミソニアン博物館での甘酸っぱいエピソードではなく、もっぱら「脱原発」のことだった。

「久しぶりに再会するshinakosanが住む日本という国について調べてみよう」と思った彼がネットでたどり着いた先は、余りに衝撃的な日本の原発乱開発のことだったそうで、「ジャーマニーではどうやって脱原発をするかってことに頭を悩ませてるのに、どうして地震大国ニッポンでイマドキ原発をたくさん作ろうとしているわけ？」と聞かれ戸惑った。確かにその通りなんだよ。

帰国して、つい最近、上に載せた写真のあのキュートなスナメリが住む、山口県熊毛郡上関町大字長島の山林を壊して140,000平方メートルの海を埋め立て、原子力発電所が作られようとしていることを知らされた。中部電力はその原発で、山口だけでなく広島や関西方面にまで電力を供給し儲かろうと企てていると言う。

しかし、その海の対岸にある祝島の島民の9割が反対を表明。
理由は数えきれないほどある。

　・原発は危ない
　・原発は怖い
　・原発予定地の下に活断層の可能性
　・祝島の集落の目の前3.5キロのところが建設予定地
　・そこはスナメリやカンムリウミスズメなど貴重生物生息地
　・天然の鯛やヒラメの豊かな漁場である美しい海
　・原発予定地で新種とみられる巻貝発見
　・原発予定地沖で危急種のナメクジウオ発見
　・農水産物への放射能汚染の懸念
　・下関で住民の反対により建設を断念したものが上関に回ってきた
　・分断される住民
　・推進派を当選させようと中国電力の社員を含む100名以上が不正転入・選挙活動をし逮捕
　・推進派候補の後援会会長で現職の町議が票の取りまとめを依頼した買収事件が発覚
　・用地取得について、農地法に基いておらず、現況証明による脱法行為
　・「海を埋め立原発ができても海はいっさい汚れない、温排水からも放射能は一切出ない」
　　と言った後に「放射能は少しは出るようです。小さな嘘でした」と発言する中国電力
　・「一次産業や二次産業だけでやっていけないでしょう」という中国電力の脅し
　・「原発ができたらあなたたちの子供や孫も原発で働ける」という中国電力の嘘
　・「祝島の反対運動のリーダーは大嘘つきの独裁者だ」という中国電力のデマ
　・海低ボーリングで汚水の垂れ流し
　・インチキな環境アセス
　・1981年に原発の話しが出て以来つづく住民と中電の28年に及ぶ闘い
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地震が起るかもしれない山を削り海を埋め、
貴重生物を殺し、住民意見を無視して、
中国電力は原発を作ろうとしている、なんとまぁ。

上関原発計画についてもっと勉強してみようと上関原発 最新情報やストップ！上関原発！、UrauraNews、長島の自然を守る会 スナメリ通信、上関原発を建てさせない祝島島民の会、氏本農園・祝島だより、原発はごめんだヒロシマ市民の会、小中進オフィシャルサイト、などなど上関原発に反対している方々のブログやHPを覗いみると、そこにあったのはなんと「辺野古」、だった。

フェンスに結ばれた反対の文字、安心安全を求める住民の声、非暴力の抵抗、カヤックチーム、不正な選挙運動、壊される山、埋められる海、みなかったことにされる貴重生物、推進するのはいつだって札束に手が届く人たち、目の前のお金にクラっとしちゃう人たち、そこはまさに「辺野古」、だった。構造は一緒、自然破壊の現実も、人権侵害の手法も、皆同じなのだ。

今、日本のあちこちで、お金で買えない健康や安全や安心に値段が付けられ、人口が少ない貧乏なコミュニティーが、そこに住む住民の同意なしに売られようとしている。住民が儲かるわけじゃない。一部の企業の懐を膨らませたり、地方自治体にお金がはいるだけの話。維持費がかかりすぎる無駄な箱モノ作りや、開発と言う名の無駄な自然破壊をするための、たかが知れたお金のため、住民に押し付けられるのは住民の健康と安全と安心を奪いかねない「軍事基地」や「原子力発電所」なのだ。

「できることはたくさんある」、とストップ！上関原発！のサイトは言う。実際に上関に行くもよし、反対運動に参加するもよし、原発に頼らなくてよいように節電に努めるもよし、他にも、選挙に行く、署名運動に参加する、布メッセージ<を送る、ブログに書く、中国電力の株を買って株主総会で原発反対表明をする、原発推進企業の製品を買わない、上関の特産物を買って原発じゃない地域活性の道を切り開く、などなど私ができることも沢山ありそうだ、ということでまずは署名と布メッセージに参加して上関原発反対ブログを書いてみた。

「原発はクリーンエネルギー」とか言う嘘の広告はもうやらないでほしい、CO2排出が少ないと言いながら原子力発電所では、タービンで使用された蒸気を冷却して水に戻す、そうすると海水温が上昇し、周辺海域の漁業や海生生物に影響を及ぼすだけじゃなく、CO2濃度を上昇させるつまりは火力よりもっとクリーンじゃないわけだ、しかも事故があった時の影響を考えたらリスクだけがどどどと高くなる。ヒロシマ・ナガサキを経験し、非核三原則を唱える地震大国ニッポンが原発を容認すると言う矛盾、中越沖地震の時放射能漏れを起こした柏崎刈羽原発事故を忘れたとは言わせない、上関に原発はいらない。

スナメリ、一度見てみたいな。