2010年06月23日

飽和の先の未来

飽和の先の未来

飽和を迎えた民は 零れ落ちる言葉を拾い上げ
ニュースをかき消す あの戦闘機を見上げた

痺れをきかせたサイレントマジョリティは
見えぬよう 覆っていた手を振りほどき
そこに 自らが立っている姿を直視した

ボーカルマイノリティには蓋
作業は いとも簡単に行われ
考えようが考えまいが 戦に晒される人生と
考えようが考えまいが 戦に脅かされぬ命が
数の理論で切り離された

犠牲に対する「感謝」は
生き延びた者たち
生をつなぐ者たち
生き延びられなかった者たちの上に 
「最小不幸社会」を築くだろう

継承を許されなかった世界
書き換えられた戦の記憶
奪われた土地 使われた体 消された命

使われてこなかった言葉を
押さえきれず 反芻する民の口元には
誰かの放った 物語への期待でも
誰かの残した 諦めの言葉でもなく
未来が 見えた




Posted by shinakosan at 05:16│Comments(0)
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